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AudioとFishingと旅,つれづれ
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  つくりの凄さで話題の球であるが,音の方は,どうも巷の噂はあまり芳しくない.総じて,音が硬い,というのである.また,良く聞くのが,耐振構造の球は音が硬い,というもの.がっちり造ってあると音も硬くなるという話は,頭から信用していないのだが,電極の支持構造の強度が高ければ,固有共振周波数は高くなるから,電極の振動特性によって音質が変わるのであれば,それもありかもしれない.しかし,この構造の頑丈さはなんとも頼もしく,手に持ったときのずっしりとした質感は,“モノ“としての存在感に溢れる.つまり,この球の風情が好きなのだ.

  去年の今頃,子供にと構想した6384シングルであるが,子供の方は『そんなのいらない』という,なんともつれない反応にめげてしまい,途中までシャーシに穴あけしたところで,そのままになっていた.去年はそのすぐ後に,インドネシアに3ヶ月ほど滞在,帰国してもその後始末で手が空かず,どうやら格好がつくと,今度はロシアもの(仕事)が2件入り,オーディオはしばらく手がつかなかった...

  年が明けて,手作りの虫が湧いてきたので,正月休みを利用して一気に組み上げた.前段はお気に入りの6SN7のMT版である6FQ7で,直結の2段増幅.6384のプレートから2段目のカソードにNFBをかけ,さらにOPTの2次から初段にもNFBをかけるMLFB構成.6384は5結のままで,SGはツェナーで軽く安定化した.プレートに318v,SGは270v,カソード抵抗は390Ω.これでカソードに約60mA流れる.手持ちPTは160mAくらい流せるのであるが,結構余裕のある動作になった.6FQ7には最初,ヒーターに50vくらいのバイアスをB+から分圧して印加したのだが,ハムが結構出るのと,誘導雑音のような(ヒーターのアースを忘れたときのような)が出る.そこでヒーター・バイアスをやめて単純にヒーターの片側をアースしたら止まった.で,とりあえずこれでしばらく様子を見ることに.

6384-1.JPG  6384-2.JPG

  まずはOPTからのNFBをかけず,しばらく聴きこんでみた.なにせ,“音が硬い“という噂なので,逆手にとって,音の傾向が硬い,Altec405Aをつないでみた.たしかに硬いのであるが,高域に独特の質感というか響きがある.シンバルの余韻などの周波数分布・スペクトルにおいて,どこかの部分に共鳴するような不思議な印象がある.ただし不快ではない.それと,きりっと締まった筋肉質の質感が全体に漂う.低域は結構力強くて,シングルらしくない.

755A-614.JPG

  これにオーバーオールのNFBをかけたのが1週間前.軽く電気特性を測ってみた.最大出力は4.8W(サイン波の頭がわずかに丸くなる),周波数特性は30~50kHzがフラット.10kHzの方形波がほぼきれいに通り,最初の角にわずかに尖りがあるが,0.1μを付加にパラっても,その尖りがわずかに大きくなるだけ.音の方は,筋肉質の質感は変わらないが,例の高域の独特の質感は少し後退した.しかし相変わらず低域が力強く,また良く締まっている.SPをWE755Aに変えてみた.OPTの2次が8Ωしかないので,4Ωの755Aはどうかと思ったが,どうしてどうして,特に音に不都合は感じられない.このアンプは,,,とても気に入った.NFB量を調整して,さらに追い込んでいこうと思いつつ,気持ちは弄るよりも聴く方に・・・
 
  せっかく,6384は音が硬くて手に負えないというような噂が広まっているのに,どうして値段が下がらないのかな?ま,自分用のストックはプッシュ2台分あるのだが・・・
 
 

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