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AudioとFishingと旅,つれづれ
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 イヤン・バカンではない.イカンは魚,バカールは炭焼き・グリルすること.言葉で書いてしまうと,なんてことはない魚の焼き物である.なのに,かくもインドネシア人のソウルを鷲づかみにしている食べ物なのである.材料となる魚はサンゴ礁の海でとれた根魚が主体だが,養殖された淡水魚もある。大きなものは2枚に背開きにして(頭もしっかり2分割),それ以外はエラ・内臓を取ったあと丸のまま焼かれる.大抵は店の入り口や外で,大きな焼き網の上で,煙なんぞをいい匂いとともに盛大に出しながら焼いている.どうやらレストランではバカールの類はあまり無くて,ゴレン,つまり油揚げになることが多いようである.レストランで盛大な炭焼きはちと難しいのだろう.バカールは道端の屋台やワルン,あるいはもう少し上等なレストランと称するワルンで,炭と煙と肉や魚の焦げる匂いとともに調理され,食されるもののようだ.なるほど,ソウルフードっぽくなってきた.
 少し上級の店になると,道端から中が見通せなくなり,つまり壁があり,部屋の中で,まだ壊れるまでは相当の時間があるテーブルと椅子について食べる.また,店の入り口で冷蔵ボックスの中の魚を自分で選んで,焼くときのタレなんぞを注文してから席につくタイプの店などがある.とにかく,メインディッシュのイカン・バカールを頼むと,手洗いのお椀のほか,色々薬味が出てくる(サンバルソースのみのときもあるが).ナシ・プティ(ご飯)に飲み物と,野菜,たまにスープなどを頼んで,さあ!,と,いただくのである.
ikan_warung.JPG bakar.JPG
 ひと月もたつと,ワルンなど地元の人達が普通に食べているところでは,拙者も手食べである.バカールが出てくると,それっ!と手とフォークで(このあたり,まだなりきっていないのだが)解体にかかり,取り出した身を薬味なんぞを混ぜながら,で,ご飯にぐちゃぐちゃ混ぜて口に放り込む.こんな按配なので,インドネシア人と一緒にこういうところで食事をすると,食べ始めると皆いっせいに無口になる,というか,しゃべる暇がなくなり,皆ひたすら皿の上のobjectと格闘するという按配になる.結構笑える.
 ところで,手で炭焼きの魚や鶏肉を食べると,油でベタベタになって気持ち悪いのではないか?,と初めは疑心暗鬼だった.が,蒸した当地のお米と一緒に混ぜて食べていると,不思議に手指はべたつかないし,あまり汚れもしない.お米がうまい具合に油や肉汁やタレやスープを吸って,いい具合になっているのではないかと思っている.それと,周りの人は絶対に左手を使わないのか・・・と覗いていると,そうでもないようだ.どうしても必要なときは,わりと普通に使っている.まぁ,右が主体だが.トイレ,進化してるからね...
 

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