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変わった国の訪問記も.
釧路の居酒屋といえば、炉端形式が有名。繁華街のそこかしこに“炉端“の看板が出ている。一応”炉端”ってのを整理すると、この字型のカウンターの中で、炭を起した炉があり、お婆ちゃんが、、、女将が、客の目の前で魚・肴を焼いて出す、という形式。
で、繁華街の一角、言葉のとおりの角にある古い民家の軒下に、小さな“炉ばた“という行灯が、薄暗く点いている店がある。店名”炉ばた“である。店内は低いカウンターがこの字になっていて、椅子は細長いベンチ形式。客が増えてくると、横に順につめていって間をあけて、そこに新客が入り込む。カウンターの中ではお婆ちゃんが座布団にすわって、肴を焼いている。釧路近海でとれた、サンマ、めんめ(キンキ、キチジのこと)、ししゃも、ほっけなどが焼かれ、油の焦げる香りが店内に漂い、鼻腔と口腔を刺激する。店を切り盛りするのは女性だけ(背後の厨房はどうか知らないが)。お婆ちゃん(女将?)に聴くと、なんでも炉端の名称はこの店から始まったとのこと。元祖である。いまのお婆ちゃんが3代目とか。天井の見事な黒つや、操業時からのもの?ってきくと、いやいや、毎日天井も拭いているそう。そうしないと、上から油がたれてくるそう(笑)、大変なのだ。
ここで出てくる肴が至高のものというわけではないが、良いものを良心的な値段で食べることができる。キンキはだいたい4千円くらい。なので管理人はキンキなんて頼んだことはない。が、観光旅行でここを訪れた客は、このときとばかり、“キンキ”もとい“めんめ”やうに丼などをおいしそうに食べている。アットホームな雰囲気で北海道の海の幸を堪能できるのだから、きっと良い思い出になっていることと思う。この日、連れて行ってあげたK君は、まず“キンキ“を頼んだ。北海道を離れてもう随分たっていたのだ。彼は、本当に美味そうに、(美味いのだから当然だが)、ぺろりとたいらげた。
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