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変わった国の訪問記も.
過日,ノースサウンドで珍しいスピーカーユニットの音を聴いた.“ちょっと面白いのがあるけど,来ないか?”との誘いに乗って行ってみてびっくり.Parmeco LS1というそうな.“いゃー,勉強になりました.いいものを聴かせて頂きました” ってのが感想.
件のユニットは1950年代の製造らしい15インチクラスの2wayコアキシャル型,中央にアルテック604みたいなマルチセルラ風のホーンがあり,ウーハーのコーンは概ねストレート.エッジはフィックストでビスコロイドがたっぷり塗ってある.後ろには巨大なアルニコ・マグネット,これはウーハー用.その後ろにツィーター用のこれまた大きなアルニコ・マグネットが堂々と載っている.ユニットの脇には,これまた大きなネットワーク.角形の大きなオイル・コンデンサがたくさん,大型の空芯コイル2ケ,小さなコイルも1ケなどなど,見るからに力の入ったネットワークが威容を誇っている.
しかし何よりびっくりしたのが音である.店ではユニット単体で鳴らしているのだが,低域から高域まで見事にバランスしていて,ベースもしっかり,高域だって不満なく出ている.中域がまた琥珀のような充実感があり,甘露甘露って感じ.お客さんからのあずかりものだそうで,これをつかったシステムを造るそうな.あまりに低音が出るので,そっとコーン紙に触れると,コーンがずい分振動している.振動系は軽量だけど,コンプライアンスは大きく作られていて,コーンがよく動くようである.ほぉ?と思い,裏の様子を覗くと,ダンパーは蝶型で,しかもかなりほっそりしている.このあたりにも秘密があるらしい.たいてい,ビスコロイドって経年変化で硬くなると思うのだが,さすれば50年を経て調度頃合い硬化し,第二の黄金期を迎えたのであろうか? 若かりし頃は,これまた今とは全く違う音を出していたのであろうか?
こんなタイプのビンテージ・スピーカーは初めてである.どんなシステムになるのか,どんなアンプがマッチするのであろうか.実家に帰るまでに,オーナーには申し訳ないが,興味津々,セッティングが始まったらちゃっかり試聴のご相伴にあずかろうと思っている.
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