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AudioとFishingと旅,つれづれ
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 今いじっているヘッドホンアンプ,ゲインが高すぎて音量調節がきかないので,手を加えたところから事が始まった。初段の3極管にPG帰還をかけて,ゲイン調整と歪率向上を目論んだのである。帰還抵抗100kΩ,グリッド入力の分圧抵抗50kΩで-6dB程度のPG帰還をかけ,ゲインは6dBにすることにした。で,これがこのアンプで初めてだったのだが,特性を図ってみたら,ゲインが-6dBしかない!。 ありゃ?,もともと動作点がカットオフぎりぎりみたいな変なところなので,そのせいか...
 翌日,仕事に行く途中のバイク(自転車)上ではたと気づいた。球の負荷抵抗RLが180kΩだし,球のrpも結構高そうだから,帰還抵抗が100kΩじゃ合成の負荷抵抗はだいぶ小さくなってるんじゃないか?,それに動作点が微妙なところにあるので,こんなことになったのだろうと予想。で帰宅後きちんと計算しなおすと,合成負荷抵抗は当初の180kΩから56kΩ程度に,帰還後の増幅率はほぼ0dBとなる.もともとμやrpが正確ではないので,こんなものかと納得。そこで,帰還抵抗は800kΩ,分圧抵抗は200kΩ,帰還量-5.4dB,合成負荷抵抗は140kΩ程度,帰還後予想ゲインは5.4dBに変更してみた。すると,やっぱりゲインは予定よりかなり小さめの-0.3dB,最大出力1.0vとなった。ちなみに,実測オープンゲインは12.5dB,帰還前の最大出力1.15vであった。
 これに32Ωヘッドホンをつないで試聴してみると,それなりに良い感じなのだが,ソースによってなにか付帯音やビビリ音見たいなものが感じられる。全般的に歪むとか,大音量で歪みを感じるというのとも少し違う感じがする。マイクロフォニックのせいかもしれず,ダンプ対策を練っている。また,電源を006Pの2段重ねにすると球の動作点が丁度良くなるのだが,PCBをいじらなければならないのと,電池の寿命やコストがあるので,どうしようか迷っている。サーという暗騒音も気になるぎりぎり境界あたりのレベルにあり,球なのか出口のOPアンプなのか,対策があるのか思案中。SW入り切りの際のポップノイズもできれば解消したいのだが,,,,,とまぁ,まだしばらく模索が続きそうである。
 それと,今回初めてヘッドホンを使ってみたのだが,片Chだけ耳にすると,なんとも音が貧相で歪っぽく,音量も激しく不足する。これが同じ音量のままで両耳にあてると,結構な再生となり,ほっとする。これって普通のことなのだろうか。
 なお,PG帰還の計算には,Ayumi’s Lab(http://ayumi.cava.jp/)の解説を参考にさせてもらった。わかりやすく,実用的でもあり,大変に助かった。以前よりこの方のサイトでは真空管の勉強させてもらっている。で今回知ったのだが,“真空管アンプの「しくみ」と「基本」”という本を出版されたようである。
 

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 ちょっと人に頼まれて,ヘッドホン・アンプを作ることになった.“管球ファンなので球を使って,簡単で安く,あんまり凝らなくていいから“,とのご希望.U7あたりのSRPPや出力トランス式などが頭に浮かぶが,電源やらトランスやら考えると,結構なものになる.そこで以前netで見つけていた**アンプで行こうかなどと検索していて,面白そうなキットをみつけた.オーストラリアのガレージメーカーらしきところが供給している代物.サブミニの直熱5極管レイセオン製JAN6418を3結にして初段増幅,次いでオペアンプでインピーダンス変換して出力(反転,ゲイン=1)するもの.負荷が32Ω以上で使い物になるらしい.ライン・プリアンプにもなる.電源は006P電池.
 早速取り寄せて,仕様をみると,結構凝っている.6418のプレート電圧は9V,次のオペアンプは5V(±2.5V)で駆動するため,レギュレータICが使われている.フィラメントには,オペアンプの5V電源から抵抗で2.5Vまで下げ,左右2本のフィラメントを直列にして,それぞれに1.25V10mAを供給する.そこで,電位が高い方の球のバイアスは,グリッドリーク兼用の入力VRのコールドをフィラメントにつなぎ,交流的にはフィラメントをコンデンサでアースにバイパスするというもの.これでグリッドバイアスは-1.25Vとなる.レギュレータICから周りにもう一工夫あって,電池の供給電圧が6.8V以下になるとLEDが点灯して知らせてくれるようになっている.
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 キットはPCBとCR類,IC,真空管,それにおまけで廉価なヘッドホン(飛行機のなかにあるようなやつ).抵抗はカーボン,コンデンサ類も汎用品.なので,交流信号の通るバイパスコンにはOSコン,カップリングの電解には手持ちのMuse,球からのデカップリングにはポリプロピレン・フィルムコンに変更した.VRも16φのきちんとした物に.

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 学生3人を連れてアメリカの学会に行ったときのこと,帰国前にNYに2泊した.学生たちと一緒に5番街をぶらぶら歩きながら,NYの様子を描いたエッチングでもないか,ついでに,家内から,お世話になった絵画好きの叔父へのお土産も頼まれていたので,2つ3つギャラリーをひやかしたうちの最後だった.
そのギャラリーのスタッフ,やけに愛想がいい.あれやこれや話していると,自分の欲しいものはなさそうだが,Rizziの小品がお土産に丁度よさそうと思い,ついでだから自分用にもひとつ買うことに.そこまでは普通だったのだが,パッキングできるまで,奥でもう少し見ていけという.奥の方に入り込むとゆったりソファを勧められ,ウイスキーかブランデーを振舞われ,今度はRizzinの大物が出てきた.
“どうだ,いいだろう,これは好きだろう”,と畳み掛ける.
“うちは日本には三越だけに卸している.近いうちに大きな個展を日本でやる.これはそのときの目玉のひとつだが,今ならおまえに提供できる.”ときた.
学生たちは段々表情が固くなってくる.値段を聞くと,“これは$15,000だが,いまなら10,000でいい”などと来た.ああだこうだとやり合っていると,

“おお,社長が来た.”
社長:(演技たっぷりに愛想をふりまき)“それで商談はどうだ?”
Staff:“今10,000で・・・”
社長:“クレージーな値段だ.おまえ,なんてこと言ってるんだ!”
Staff:“でも社長,これが売れれば...”
社長:“わかった,あとはオレが話す.ミスター,わが社はとてもがんばって商売をしている.しかしどうしても今月あと$10,000が必要なんです.そうしないと,この場所の家賃が払えなくなる.この作品はここでは$15,000で売っているが,日本では$20,000くらいの値をつけている.ミスターはこれを持ち帰って,もし不要なら15,000でも簡単に売ることができるんです.どうです,いい買い物ですよ.決算さえなければこんなクレージーな値段で売ることはないんです!!!”

ときた.社長登場のタイミング,演技,バッチリである.学生達の方は,会話のはしばしは分かっているようで,かなり不安な様子になってきた.

が,程なくパッキングが終わり,社長,がんばってね~,と店を後にした.お土産用にはBoy and Girl だったかな,自分用にはBig Dog Big Cat.

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 お土産を叔父に差し上げてからしばらくして,本当に日本で個展が開かれ,それが叔父のいる函館にもやってきた.で,デパートでそれを見た叔父がびっくり,“いやいや随分高価なものをいただいて”,と再三お礼の言葉をいただいた.本当にいい買い物だったみたい.

     (なお,私は大学教員ではない。)

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久しぶりのロシアネタ.イルクーツクは大きな街で,繁華街はなかなかに賑やかである.その少しはずれ,殺風景な狭い小路を入って奥まったところに,イルクーツクで一番高い(と州政府のRさんが言っていた)レストランがある.その名も“京都“,ヤポンスキー・レストランである.1Fから5Fくらいまでを占める大きなレストランだ.しかし2007年夏に行った時は改装中で,なんでも秋には開業すると出ていたが,あの工事の様子じゃとても年内には終わりそうも無かった.案の定,秋に再訪したときもやっぱり工事中.しかし20081月に行った時には,1Fだけは開業していて,結構賑わっていた.で滞在の最後,3回の訪問のたびにすっかりお世話になったLさんらを招待して,さよならパーティーを開いた.


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ロシアとしては結構な値段だったと記憶するが,料理に大外れはない.日本料理度はイルクーツク市内のヤポンスキー・レストランの中でも高位にある.ホールの女性スタッフは浴衣もどきを着用して例の雰囲気を出している.日本人には異国的だが,外国人には日本的なのだ.ロシア人はカツ丼が好きである.であるからして,ロシアのヤポンスキー・レストランの定番メニューはカツ丼である.このほか,焼き鳥,刺身,寿司,カレー!などなど.

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ロシア,それもシベリアには,海がないに等しい.北極海に面してはいるが,そこにはほとんど人は住んでおらず,水産に利用できる環境にもない.なので,市民には海の魚は縁遠い.海の魚は遠くオホーツク海から,あまり感心できない貯蔵状態でシベリア鉄道にてわずかに送られてくるのみというのが実情.たいていのロシア人は,海の魚はよく知らないし,おいしくもないと思っている.なので,こんなところで刺身や寿司を出すのは大変だし,コストもかかるわけである.

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資源バブルで活気づいている時期でもあったので,こんなシベリア真っ只中で,結構な数のヤポンスキー・レストランが開業していた.京都のほかに,ワサビが2軒,エド(これは20081月には閉店していた),名前を忘れたのが一つ(店員の衣装が黒の忍者風で刀を刺していた)などなど.クラスノヤルスクにも結構あったのだが,これは別稿で.

 

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神戸は三宮,繁華街の一角にあるビルの地下階にその店がある.2年ごとに神戸で開かれる催しに初めて参加したときに見つけて以来,その催しで神戸に行くたび顔を出していた.物静かな高齢のマスターの柔らかな人当たりのおかげで,初めての訪問でもリラックスした時を過ごすことができた.フレンドリーな美人ママに進められつつ,おでんや水餃子などの家庭料理でお腹も満たされる.興がのると,自慢の喉でJazzを唄ってくれる.定期的にJazzライブがある.ママは,どうやら神戸のJazzの重鎮であるらしい.

阪神淡路大震災翌年の夏,三宮の街はまだ震災の爪痕が大きく残っていたものの,同じ場所を探すと,行灯が出ている。店は再開されていて安心したことを思い出す.聞けば,地震でビルは全壊となり,店内はめちゃくちゃ,天井は大きく下がってしまったという.それでもカウンターの板は壊れずに残ったそう.震災後,たくさんの人の励ましで,同所にて建て直しされたビルの,これまた同じ地階にて再開にこぎつけたという.たしか,現在のカウンターの板は,震災でも残ったものだったはず。しかし,再開後ほどなくして,マスターが亡くなったとの知らせがあった.店はその後もママががんばって続けていた,,,ここ3年行っていないけど,まだがんばっていて欲しい.

前回行ったとき,ママ達がCDを作ったと聞き,購入して帰ってきた.ザ・ビッグ・ディッパーズによるディキシーランドである.専属歌姫 石井順子(ママ)とある.

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しばらく前,まだ札幌駅の北口界隈が雑然としていたころ,駅の真北正面150mあたり,ビルだかなんだかの北裏に2階建木造のボロ屋があった.1Fと2Fそれぞれに飲み屋が入っており,そのうち1階にはフツーのオジサンがガヤガヤのむ居酒屋,そのとなりには怪しいドアと“BBQくにむらの看板.平成の初めに札幌に来た当初から気になる怪しい一角だった.そんな頃,1階の居酒屋に入る機会があって,となりのBBQの様子を外巻きにうかがったことがある.と言っても,窓もなにもなく,ドアの外側をチラ見するだけだったけど(笑).

ちょうどバブル時代で,そこかしこが地上げにあってSIM-Cityのように更地になっていくなか,ほどなくぽつねんとボロ屋が残ってしまって,せっかく路地裏,片隅にあったボロ屋が露呈してしまった.すわ,風前の灯か?!と思い,無くなる前に確かめようとくにむらのドアを開けてみた.その先には,ただ廊下が眼前に続いている.ますますイイ感じに怪しい.廊下を進み,突き当たりのドアを押すと,カウンターだけの小さなバーが現れた.電球の黄色い明りで薄暗く,床は木だったろうか.カウンターの奥から一体どんなおそろしい人物が射すくめるような視線を突き刺してくるか?,と思ったら,わりとフツーで(こんな店をやるのであるからそこそこには怪しい),同年代風の男が,クールで,少しシニカルで,いやしかし意外と飾らない親しみやすさも浮かべて佇んでいた.新宿ゴールデン街みたいだぁ,こんな店があったとは,,,,と感銘.何度か足を運ぶこととなった.しかしバブルだの再開発だのは,ついにこの北口文化の最後の砦を飲み込んでしまい,くにむらは移転・再出発をはかることとなる.

ところで大むかし(昭和後期)の北口界隈っていうと,タクシー代をケチってススキノから歩いて帰ってきた途中で,ええい朝まで飲んじまえ,とわずかの手持ちでぐだぐだできる店があったり,地元中高校生の親達は,子ども達に北口界隈には近づいちゃだめよとくぎを刺すようなところであった.いま,JRは高架になり,冬に友人Kの車が滑って肝を冷やした陸橋はなくなり,すっかりきれいになってしまった.
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で“くにむら”はその後,北12条界隈にて再出発をはたす.移転当初は会員制BARなる旨を掲げていたが,そのワケをきくと,“なんだか面倒くさいから“みたいなことを言っていた.が本心は,客筋が変わって店の雰囲気が変わらないように,当初は昔からの客で営業して,店の空気を再現・再興したい,ってことだろう.しばらくして,会員制の文字が店先から消えていた.店主の目論見はうまくいったようである.以前ほど怪しくなくて,女性でも入れるような店になったが...

いろいろうまくいかないことが重なって,なんとか気持ちとストレスを消散・霧散させたいときに,店の扉をあけることが多い.店主とワインを分け合いながら,とりとめの無い話しをあれこれして,普段の生活の立場や次元とは違ったところに身をおいて,無私というか,日常の自分から離れる機会を得たいのだと思う.旅がよく,自分発見の手段のように訳知り顔で語られるみたいだが,旅はその反対で,徹底的に無私にさらされること,砂粒の一つになれる機会であると思う.海外旅行はその典型かも.そうか,“くにむら”に海外旅行かぁ.

ところで“くにむら“の由来は”らむにく“とのことである.なんで,ラム肉はレギュラーメニューではある.

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最近出た管球王国の特集で,CDプレーヤーとラインアンプの間にライントランスを入れて,音の聴き比べをやった記事がある。我が家でも,WE111CUTCのトランスを入れているのだが,あまり変化が感じられなくて,“まぁ,こんなもんか”程度に思っていた。しかし記事では,なんと1:1600オーム:600オームのところをつなぎ換えて,12などにして使うと,結構変化があると書いてある。その手があったか,と,早速111Cをつなぎ換えてみた。ところで,本来11111C1次側をパラにするとインピーダンスは1/4150オームになる。一方2次側は,ラインアンプの受けのVRがたしか100kΩだったはずなので,結果,相変わらずのハイインピーダンス受けである。これならDACの出力側もつらくないはず。そういえば111C600オーム受けで使うと,周波数レンジがかなり狭くなると聞く。その点でも,まぁ良いだろうと判断。

 でやってみた結果,厳密に切り替え試聴したわけではないが,なんというか中高域でメリハリというか陰影というか,が増したように感じる。モノラルのサキソフォン・コロッサスを聞くと,中高域部分の音像が,何か前後に深くなったようにも感じる。つまり,今回のイタズラは“成功“というわけである。UTCのトランスもつなぎ換えて,比べてみようと考えている。
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釧路の居酒屋といえば、炉端形式が有名。繁華街のそこかしこに“炉端“の看板が出ている。一応”炉端”ってのを整理すると、この字型のカウンターの中で、炭を起した炉があり、お婆ちゃんが、、、女将が、客の目の前で魚・肴を焼いて出す、という形式。

で、繁華街の一角、言葉のとおりの角にある古い民家の軒下に、小さな“炉ばた“という行灯が、薄暗く点いている店がある。店名”炉ばた“である。店内は低いカウンターがこの字になっていて、椅子は細長いベンチ形式。客が増えてくると、横に順につめていって間をあけて、そこに新客が入り込む。カウンターの中ではお婆ちゃんが座布団にすわって、肴を焼いている。釧路近海でとれた、サンマ、めんめ(キンキ、キチジのこと)、ししゃも、ほっけなどが焼かれ、油の焦げる香りが店内に漂い、鼻腔と口腔を刺激する。店を切り盛りするのは女性だけ(背後の厨房はどうか知らないが)。お婆ちゃん(女将?)に聴くと、なんでも炉端の名称はこの店から始まったとのこと。元祖である。いまのお婆ちゃんが3代目とか。天井の見事な黒つや、操業時からのもの?ってきくと、いやいや、毎日天井も拭いているそう。そうしないと、上から油がたれてくるそう(笑)、大変なのだ。

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ここで出てくる肴が至高のものというわけではないが、良いものを良心的な値段で食べることができる。キンキはだいたい4千円くらい。なので管理人はキンキなんて頼んだことはない。が、観光旅行でここを訪れた客は、このときとばかり、“キンキ”もとい“めんめ”やうに丼などをおいしそうに食べている。アットホームな雰囲気で北海道の海の幸を堪能できるのだから、きっと良い思い出になっていることと思う。この日、連れて行ってあげたK君は、まず“キンキ“を頼んだ。北海道を離れてもう随分たっていたのだ。彼は、本当に美味そうに、(美味いのだから当然だが)、ぺろりとたいらげた。



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